この街の片隅で・・・・・

街の片隅で生きる人のごくありふれた日常を綴るブログです。

Instagram https://www.instagram.com/sakanakun_insta/

NHKマイルカップの展望?

それでは、今日東京競馬場で行われます、G1NHKマイルカップの有力馬の展望をお話します。

サンライズプリンス・・・・『ニュージーランドTの勝ち馬は本番で勝てない』とは、よく耳にする話だ。曰く「中山マイルと府中マイルは問われる性質が全く違う」「中山の坂をこなせるパワーより、広いコース向けのスピード能力が問われる」など、真意に関しては諸説あるが、確かにここ10年、NZTの勝ち馬の成績は不振を極めている。馬券に絡んだ事例すら、03年の2着ただ1回…。
とはいえこんなデータなど、いつかどこかで例外が出現するのが常なのだ。特に今年の勝ち馬サンライズプリンスに関しては、過去の不利なデータを打破するだけの能力は、十分に秘めていると見る。勝ち時計1分32秒9の優秀さもさることながら、好位から抜け出すセンス、大跳びの豪快なストライド、後続に付けた決定的な着差、どれを取っても王者の資質は十分だ。
これまでのNZT勝ち馬は「後方から一瞬の切れ味で制する」タイプが多々いたが、この場合だと本番の長い直線で、逆に最後まで脚が続かないケースが多いのだ。しかし同馬のレース振りなら、このコース替わりも味方になり得る。ここを制して“変則二冠”といきたいところだ。

リルダヴァル・・・・骨折休養明けからここまで早2戦。いずれも少差の好走を見せているように、秘めた能力に関しては疑いようも無い。とはいえこれだけ走っているにもかかわらず、関係者曰く「完全に本調子というわけではなかった」と言うのだから、末恐ろしい話だ。
「動きも気配も、休養前があまりにも良すぎたからね。それと比べると、ここ2走はもう一息だった」とのことだったが、一度故障した脚を気遣って、負担の少ないポリトラックで追い切りを行うなど、必ずしも“100%”の調整を行っていなかったというのもまた事実。が、裏を返せば「それでも素質だけで好走していた」という、能力の裏付けともなるのだ。
別段問題が出ない脚元を“完治”と見た今回は、キッチリCWコースで追い切っての出陣だ。「以前の動きに戻った」と関係者が太鼓判を押した今回、本領発揮でGI奪取に臨む。

ダノンシャンティ・・・・『変則二冠』といえば、同馬を管理する松田国英厩舎が、これまで幾度も挑戦してきた『王道パターン』。師曰く「3歳春のこの時期にマイルと2400mの両方を制し、スピードとスタミナをアピールすることで、種牡馬入り後の価値を高めるため」と、引退後までを見据えての策であるが、実際このローテーションをこなした師の管理馬・キングカメハメハクロフネは、今回このレースに出走馬を送り込めるほどの有力種牡馬となった。
つまり、同厩舎の馬が『変則二冠に臨む』こと…これ自体が既に『並々ならぬ素質を秘めた馬』と、師が認めた馬のみに許された“出世街道”なのだ。前述の2頭で既に確立された『毎日杯からNHKマイルC』というこのローテーション。
過去の経験も存分に活かした仕上げを施された馬体は、こことダービーの連戦に耐えうる強靭な筋肉がキッチリ付いて、とても1ヶ月以上出走間隔の開いた馬とは思えないほど。厩舎の偉大な先輩に続ける器と見る。

コスモセンサー・・・・他に話題を集める馬が多い分、どうにも影が薄くなっている印象も否めない同馬だが、これまでのレースで見せてきた圧倒的なスピード能力は間違い無く本物だ。年明け初戦のアーリントンCを、終始ハナを譲らないというまさしく“スピード任せ”の戦法で制した同馬。後続を寄せ付けない勝ちっぷりは圧巻の一言だが、実はこの時「少し太目残りだった」のだそうだ。
それであの勝ち方なら地力に関しては疑う余地も無いのだが、疲労を抜くため中間少々緩めてしまい、同じく太目残りで出走したNZTでは、最後の坂で止まるという失態を晒してしまう羽目に…。「距離的にここがこの春の最大目標だからね。中間は今までにないぐらいビッシリ乗り込んだし、しっかり汗をかかせてムダ肉を落としたよ」と、関係者はこの大一番に向けて、万全の“太目残り対策”。
木曜計量の時点では、それでも前走比プラス12キロであったが、無駄な部分が削ぎ落とされた馬体から見る限り、増加分は純粋に筋肉なのだろう。更なるパワーアップが見込める。

トシギャングスター・・・・これまで挙げた2つの勝ち星は、いずれもダート戦でのもの。特に、京都ダート1200mの未勝利戦で見せた怒涛の末脚は、上がり3F35.9という、良馬場ダートで2歳馬が出したとは到底思えないほどのものであった。
とはいえ幸か不幸か、このレースの印象があまりに強すぎるためか、いまだに同馬の“真の適性”は謎のまま。師は「短距離の差し馬」と言うし、別の厩舎関係者は「芝ダ兼用のマイルまでの馬」と言う。更に別の関係者からは「脚を溜められる分、中距離でもこなせるかも」という意見すら出ているのだ。この混迷を表すかのように、同馬がこれまで出走してきたレースも条件はまちまち。使われつつ着実に力を付けた同馬は、ついにファルコンSで、あわやのハナ差2着に食い込む激走まで披露してみせたのだ。
関係者すら適鞍を測りかねるこの馬…。ただし間違い無く言えることは、馬群をものともせず割れる根性があるということ、芝でも鋭いキレ味を発揮出来るということ、前走から更に動きが良くなってきているということ。こういう馬が平然と激走してみせる“NHKマイルC”だからこそ、非常に不気味な存在だ。

ダイワバーバリアン・・・・勝ち切れないが大崩れしない、まさしく“相手なり”という言葉がピッタリな同馬。500万条件勝ち直後の身で朝日杯3着に好走した時、「重賞でも十分やっていける。次のGIに出る時は、1つか2つはタイトルを獲って臨みたいね」と誇らしげに語っていた関係者。ところが“重賞でも十分やれる”ことに間違い無いのだが、なかなか重賞タイトルに手が届かないまま、ついに再びGI本番の舞台を迎えてしまった。
とはいえ500万条件までしか経験の無かった朝日杯時と比べ、強豪相手に散々揉まれてきた今回、地力は比較にならないほど着いてきているのだ。前走NZTにしても、最後の直線で一度交わされそうになりながらも、ド根性で差し返して連対確保。そこから更に1頭抜かす、というところまで持ち込めないのが実にもどかしいが、この実績と堅実さは、胸を張って“実力馬”と言うには十分だ。
着実に調子を上げてきた今回なら、念願の初重賞制覇をここで成し遂げるかも…?

エイシンアポロン・・・・皐月賞では大敗を喫したが、それもひとえに不利な要因が多々重なっただけのこと。「ゲートを出てすぐ外にも内にも来られてしまって、終始外外を周らされてしまったからね。それに、今思えば最終追い切りも、少し走らせ過ぎだったのかも…」とは関係者の敗戦の弁。
結果論だが、前走の最終追い切りで叩き出した坂路4F49.8によって、レース当日の馬自身の気合いが少々乗り過ぎていたようにも見て取れた。今回の乗り替わりに関しても、新たに手綱を取るのは『皐月賞を内から伸びて制した』岩田騎手…これ以上の説明は必要無いだろう。
幸い大敗のダメージは少なく、得意のマイルでの巻き返しを懸けて、ここに向けての乗り込みもビッシリ。前回の教訓を活かし、最終追い切りは馬なりで軽めに仕上げてきた。朝日杯2着の実力を、存分に発揮してくれることだろう。

レト・・・・前走ニュージーランドTで優先出走権を確保し、GIへ駒を進めてきたレト。デビューから一貫して1200mを使われていただけに、マイルへの距離適性が不安視されたが、「掛かり通しで、他馬に寄られる不利も重なったシンザン記念は度外視だよ」と関係者が言うように、その後の重賞では連続して3着好走を果たし、距離にメドを立てた。
特に、前走は2F目以降、全てで11秒台を刻むハイペースにも戸惑うことなく、3着好走を果たした内容は十分、評価に値する。「欲を言えば、2着に入って賞金も加算したかったところだけど、本番前に、あの早い時計を経験できたのは大きな収穫」と関係者も手応えを口にする。
好位から流れに乗りたい同馬にとって、大外枠は少なからず割引材料だが、そこは相性抜群の鞍上のエスコートに期待したい。走っても人気にならないタイプではあるが、大一番のここでも、全く軽視はできない。

レース後にでも、感想をお話します。