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桜花賞の展望?

大変遅くなりましたが、今日阪神競馬場で行われますG1桜花賞の有力馬についてのお話しです。

タガノエリザベート…距離延長で臨んだ年明け初戦のすみれSでは負けはしましたが、関係者の表情に悲観的が見方が無い。「折り合いを試す意味で長い距離を使ったが、好位追走でも前に馬を置けば、上手く折り合えた。この馬なりに収穫は大きかったね」と、折り合い面に進境が見え、展開次第である程度融通が見込めるようになった点が、今回に向けての何より大きなアドバンテージだ。
以前から調教でも良く走る馬であったが、一叩きされてからの追い切り内容は、明らかに良化の一途を辿っている。終いを伸ばす方向に終始しているのは、勿論ここでの戦法を意識してのこと。「末脚勝負に賭ける。ひとたびハミが掛かると、一気にガツンと行ってしまう難しい馬だけど、折り合いが良くなれば怖い者無し。キレ味勝負に持ち込めば、勝機は十分あるよ」と語る関係者の自信の裏付けは、追い切りで披露した迫力溢れる伸び脚を見れば、十分お判り頂けるだろう。阪神外周りの長い直線は、末脚を活かすに相応しい舞台。大駆けの可能性も十分だ。

アパパネ…今年の牝馬クラシックのキーワードともなっている「東高西低」ですが、その「東高」の旗頭がこの馬。今年初戦の前走チューリップ賞では2着に敗れましたが、「馬体重にも表れていたけど、やや太め残りの仕上げでも格好を付けてくれるんだから、さすがだね」と関係者には全く悲観した様子はない。
「もっと速い時計を出しても良かったくらいだよ。それぐらいカイ食いがいいし、ビシビシ攻めもやってきたからね。馬体は増えているけど、今回は中身が違うよ」と関係者は前走以上のデキという感触で、前走後も栗東滞在の効果を強調していた。その一方で、「昨年暮れよりは良く見えるけど、大きな成長があるかと言えば、正直言って疑問符がつく。良く言えば平行線だが、成長力に欠けるとも言える。」との報告もある。それでも、調教施設が充実し輸送時間も短い栗東での滞在効果は軽視できないだけに、2歳女王の自力に期待といったところか。

オウケンサクラ桜花賞トライアルのチューリップ賞で権利獲りに失敗すると、2戦連続で中1週という強行日程で出走したフラワーCで見事優勝して、賞金加算でのクラシック出走を決めた。「クラシック路線に乗せないといけない馬」と話していた関係者の期待に応えた格好だが、前走から今回の間隔は中2週。さらに関東への輸送も考慮すれば、必然的に状態面に一抹の不安は付きまとうもの。しかし、「さすがにこっちに戻ってきてすぐは少し細く見えたけど、カイ食いが旺盛ですぐに馬体は回復した。本当にタフな馬だよ」と関係者も舌を巻くほどの回復力を見せている。直前の追い切りでもしっかりと負荷を懸けられていたが、その後に発表された馬体重は12kg増。デキ落ちは全く見受けられない。関係者も「距離はもう少し長い方がいいけど、(阪神の)マイルなら十分対応できる。力差は感じていないし、鞍上も強力。本番も楽しみだね」と、こちらが拍子抜けするほど饒舌であった。その“強力な”鞍上とは、連覇を含め桜花賞3勝の実績を誇る安藤勝己騎手。厩舎初の牝馬クラシックタイトルは2度目の桜花賞2連覇を狙う鞍上の手腕に託されたが…。

シンメイフジ…昨年の阪神JFで1番人気に支持されたシンメイフジ。結果は5着でしたが、出遅れた上に、大外を回され、さらには直線で挟まれるという三重苦とも言える内容での少差の5着は“負けて強し”を強烈に印象付けた。今年初戦の前走では、逆に「スタートが速すぎて驚いた」と関係者が振り返ったように、ハナを奪う競馬で5着と、ここ2走は本来の競馬ができず、不完全燃焼ですが、「前走は完全に良化途上で出走を見合すことも考えたぐらい。でも結果的に使って大正解。前走後から食欲が一気に旺盛になって、中2週でもビッシリと追えた。本番に直行しないで良かったよ。この中間にはゲート練習も積んでゲート難も解消できたし、何よりもここにきて集中力が凄い」と関係者が手応えを掴めば、最終追い切りに跨った岩田騎手も「前走とは馬体が全然違う」と感心するほどの大きな変わり身を見せており、完全にひと皮剥けた印象だ。昨夏の新潟2歳Sで見せつけたように、キレ味は世代最上位。あの豪脚がここで再び爆発するのか?

ラナンキュラス…「正直、阪神JFでは着差以上に勝ち馬との差を感じた」と切り出したのはレース後の陣営関係者。「あの頃は心身ともにまだまだ成長段階だったから、あの結果(4着)はむしろ評価しているよ。ただし、今は馬そのものが違う。前回の休養で体質が変わってきたね。馬体には丸みと幅が出て、ドッシリとしているし、筋肉の付き方や身の入り方なんかは、2歳時とは別馬だよ。落ち着きも出てきて、精神的にゆったりしているし、全ての面で成長して大人になってきた。」と陣営関係者は。「以前に見られたレース後の反動もなく、使い減りしなくなって回復も早い。」と話すように、この中間も併せ馬でビッシリと追われているように、体質強化は目に見えて明らかだ。これまでも強敵相手に大きく崩れなかったセンスの高さに加え、心身ともに大きな成長を遂げた今、陣営が掲げる「桜花賞母娘2代制覇」の青写真も現実味を帯びてくるのだが…。

アプリコットフィズ新馬戦の圧勝劇で、一躍「クラシック候補」と呼ばれたこの馬。2戦目のフェアリーSこそタイム差なしの2着惜敗だったが、前走のクイーンCではデビュー戦を髣髴とさせるような快勝で、クラシックに一躍名乗りを挙げた。しかも最後は流す余裕を見せたように、本気の走りではなく、まだ底らしい底は見せていない。阪神JF上位組や関西の有力馬とは未対戦だけに、力関係は未知数だが、潜在能力の高さは折り紙つきだ。しかし、未知数なのは力関係だけではない。これまで走った3戦は東京、中山とすべて関東圏でのもので、今回が初の関西遠征。前日の長距離輸送に加え、阪神競馬場での滞在と、環境の変化への対応力が問われることになる。関係者は「体は小柄だけど、精神的には大人になってきている」と話していたが、キャリアの浅い3歳牝馬だけに決して楽観視できるものではない。これまで幾度となく、桜花賞関東馬が返り討ちにあってきたように、関係者間で囁かれる「関東馬桜花賞を勝てない」というジンクスを打破できるか?実は、この馬にとって嫌なデータも…。

レース後にでも少し感想をお話しします。