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日航は、やはり法的整理へ(3)

深刻な経営危機に見舞われ、会社更生法の適用を受けることになった日本航空グループのトップに京セラ名誉会長の稲盛和夫氏に就任を要請し、稲盛氏本人もこれを了承したそうです。

これは、昨日鳩山首相と稲盛氏が会談の上で決まったもので、来週にも東京地裁会社更生法の適用を受け、企業再生支援気候の支援の下で日航最高経営責任者(CEO)に就任する見通しです。

私は、今回の稲盛氏の日航トップ就任に対してお願いしたいことがあります。

まず、現場を必ず見てください。裁判所の管轄下に入るために再建に一刻の猶予も許されませんが、再建のヒントに必ず「現場の声」が必要なのです。

とかく企業再生、というと早く再生しようと現場の声を無視して、経営者に反旗を翻した人を追放したために、企業は再生できたとしても、そこに働く人は経営者の「イエスマン」ばかりになり、今回の恐慌に際しても、こういった企業が再び破綻の危機に見舞われる、といったことが少なくないのです。

今回の日航の再生は、当たり前の話ですが、「ANA(全日空)とは違う企業」にすることなのです。

現在の日航の企業体質は昔の国営会社の体質を引きずっており、それが今回の破綻の一因になったともいえます。しかし、純然たる民間企業から出発したANAと違って、「人間的な温かさ」も持っていました。それが国際的な航空競争によって「ANAと変わらない」企業になってしまったのです。そうなれば経営状態のいいANAに乗客は流れていくことは明らかです。

そういった本当の意味の「企業文化」を破壊したら、そこに残るものは「市場原理主義の亡者」だけなのです。

幸い、今は「市場原理主義」に対する反省が促されている時期ですから、こういったことを生かしつつ、企業再生をすることは可能です。

稲盛さん。京セラという京都の町工場を世界的な大企業に育て上げた手腕ならば今回の日航再生もうまくいくはずです。ただし、決して再生を急がないでください。「人間に優しい」企業に日航を変えるのは時間が掛かるのですから・・・・。

今回の日航の破綻で問題になった地方路線の将来について、明日お話しします。